
「転職したいけど、誇れるキャリアがないし、今さら無理?」
「副業してみたいけど、専門的なキャリアがないから難しいかも・・・」
こんな風に悩んで、立ち止まってしまった経験ありませんか?
「キャリア採用」「キャリア官僚」といった言葉から、
キャリアがある=“ベテラン・ハイレベルな人”を想像する方も多いかもしれません。
でも実は、キャリアってそういう意味じゃないんです。
本来は「働く中で積み重ねてきたことの全て(そして、これから積み重ねていくことの全て)」という意味で、
仕事にまつわる経験、その中で選択したこと、大切にしてきた価値観など、
全部ひっくるめたものを“キャリア”と呼びます。
つまり、キャリアがない人なんていないんです。
新たな一歩を踏み出すときに必要なのは「キャリアの有無」ではなく、
「これまでのキャリアを紐解いて、どれだけ自分らしさを理解できているか?」
これに尽きます。
この記事では、元キャリア迷子のキャリアコンサルタント・キャリ子から、
「自分にはキャリアがない」と悩む人へお伝えしたい、
スキマ時間にゆるっとできる【あなただけのキャリアの見つけ方】をご紹介します。
「キャリアがない」は誤解!語源から読み解く本来の意味
「キャリア」の語源は中世ラテン語のcareer〔k§ri§〕で、「馬車が通った跡=轍(わだち)」という意味です。
それがやがて、人が歩んできた道(経歴)を意味するようになりました。
ちなみに厚生労働省は、「キャリア」を以下のように定義しています。
引用:「キャリア形成を支援する労働市場政策研究会」報告書要旨「キャリア」とは、一般に「経歴」、「経験」、「発展」さらには、「関連した職務の連鎖」等と表現され、時間的持続性ないし継続性を持った概念として捉えられる。
なにやら小難しいですが、つまり
「働く中で積み重ねてきたことの全て(そして、これから積み重ねていくことの全て)」、
端的に言うと「その人の生き方そのもの」を意味しています。
あなたが選び、行動し、歩んできた過程のすべて。
あなたの生き様こそが「キャリア」といえるのです。
人の数だけ、オンリーワンのキャリアがある
- 営業成績、5年連続全国一位!
- 海外MBA取得後、外資系企業で戦略立案や事業開発に携わっている
「キャリアがある人」と聞くと、こんな人を思い浮かべる方もいるのではないでしょうか。
努力や優秀さが伝わってくる、とっても輝かしいキャリアです。でも、
- 仕事と家庭を両立させるため、時短の契約社員として長く働いている
- 悩みながらも複数回の異動を受け入れ、ゼネラリストとして会社に貢献している
例えば、こんな経験も立派なキャリアです。
キャリアとは「他人と比べてすごいもの」ではなく、その人だけの物語や積み重ね。
誰ひとりとして「キャリアがない人」なんていないのです。
大切なのは「キャリアの有無」ではない
なぜなら、キャリアがない人なんていないから。
大切なのは、自分のキャリアを振り返り、どれだけ自分らしさを理解できているか。
これまでの仕事に関わる出来事や、そのときの自分の気持ちなどを丁寧に洗い出し、
どれだけ解像度高く、客観的な理解ができているか。
これが、今後を左右するキーポイントとなります。
キャリアを振り返る方法は千差万別ですが、
例えば以下について考えてみるだけでも、自分のキャリアの軸が少し見えてくるのでおすすめです。
遠回りしてやっと気付いた、私のキャリア迷子体験談
キャリアの振り返りを疎かにすると何が起きるか?事例をご紹介しましょう。
私の話です。実は私、かなり遠回りをして今に辿り着いています。
1社目:新卒入社した会社でコールセンターに配属
オペレーター業務と事務作業に従事。
鳴りやまぬ電話に追われ、会社独自のシステムとルールに従う単調な毎日。
社歴の長い先輩も同じ仕事をしており、漠然と将来が不安になって3年で転職を決意。
「コールセンターでなければいい」というスカスカの考えで転職活動をする。
2社目:同じ業界で事務職へ転職
架電による顧客対応と、事務作業に従事。
前職と違い膨大な受電がなく心穏やかに過ごすが、書類とにらめっこの日々が延々続くことにしんどさを感じ始める。
成果がよく分からず、いまいち達成感も感じず、2年半ほどで転職を決意。
前職のNGポイントは「業務に追われる(自分のペースで仕事ができない)」「将来のキャリアが想像できない」、
今回のNGポイントは「単調作業が続く」「達成感を感じづらい」と分析。意識して転職活動する。
3社目:人材紹介会社へコンサルタントとして転職(現在の勤務先)
求職者へのお仕事紹介に従事(求職者と企業の両面営業)。
顧客に感謝されること、進捗や結果が数字で見えること、自分で仕事のペースを決められること、
自分で自分の仕事のクオリティを上げる工夫ができることが面白く、現在13年目。
そして今、改めてこれまでのキャリアを振り返り、新たにライターに挑戦中。
初めての転職のときにきちんと自分のことを振り返っていたら、こんな遠回りはしなかったかもしれません。
1社目で培った電話対応スキル、2社目で自分の価値観に気付けたことは私の財産であり、
この遠回りには意味があったと思っています。ですが、貴重な時間をロスしてしまった感も否めません。
この記事を読んでいるキャリア迷子の方。
せずに済む遠回りはできる限りしないように、どうかキャリアの振り返りをしてほしいと願っています。
「キャリアがない」と思ったときが、始まりのチャンス
最近、転職市場がとってもアツいですね。
総務省の労働力調査によると、2024年の転職者数は約331万人(前年比0.9%増)で3年連続で増加したそうです。
副業もホットな話題です。
働き方の多様化、長引く物価上昇などを背景に、副業を考える人が増えています。
「もっと収入を増やしたい。でも今から転職なんて難しいかも」
「このまま定年まで、今の仕事を続けるのかな・・・」
「やりがいがない。本当はもっと自分らしく働いてみたいけど、どうしたら?」
こんな方は、ぜひご自分のキャリアを振り返ってみてください。
働いてきた中で起きた出来事、選択、そのときの気持ちなどを、ひとつひとつ思い返してみてください。
「そういえば、〇〇の成果を褒められて嬉しかったな」とか、
「△△の仕事は好きじゃないけど、□□の仕事はサラっとできるな」とか、
皆さんならではの強みや大切にしてきた価値観など、
自分らしく働いていくためのヒントが、少しずつ浮かび上がってくるはずです。
キャリアに迷うのは、人生をまじめに考えているから。
不安、モヤモヤ、違和感。そんな気持ちから逃げず、正面から向き合っているから。
そんな勇気あるあなたなら、きっと“自分らしい働き方”を見つけられますよ!
Wrote this article この記事を書いた人

キャリ子
元・キャリア迷子のキャリアコンサルタント。 「自分軸の選択と集中」をモットーに、ライターとして新たなキャリアを開拓中。 転職経験・人材紹介会社の実務経験・キャリア迷子の経験・国家資格キャリアコンサルタントの学びを掛け合わせて、「自分らしいキャリアの発見」に関する情報を発信中。